金継ぎ師 鵜養慶太

金継ぎ師・鵜養慶太氏の作品は、壊れた器に新たな価値と時間を宿す、静かで力強い美しさを持っています。欠けやひびを単に修復するのではなく、漆と金によって「景色」として立ち上げる金継ぎ。その行為は、傷を隠すのではなく受け入れ、むしろ魅力へと昇華させる日本独自の美意識に根ざしています。

鵜養の手によって再生された器は、それぞれが異なる歴史をまとい、唯一無二の表情を見せます。継がれた線は、過去の痕跡であると同時に、これからの時間を刻むための新たな始まりでもあります。自然素材にこだわり、時間をかけて丁寧に仕上げられるその仕事は、ものと長く付き合うという豊かさを静かに伝えてくれます。

壊れたものに再び命を吹き込み、その不完全さを美として肯定する——鵜養慶太氏の作品には、そんな思想が息づいています。器の傷跡は、もはや欠点ではなく、その器だけが持つ物語の一部。手に取るたびに、その背景にある時間や記憶を感じさせてくれるでしょう。

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